ああゆみ
夫の仕事の都合で、二年に一度くらいの周期で住む町が変わります。次の異動がいつで、どこになるかは、辞令が出るまで分かりません。
新しい町に着いた日は、知り合いが一人もいません。地域のつながりから何かを紹介してもらう形の仕事は、着いてすぐには始められませんでした。毎回、人間関係を作るところからやり直していました。
回覧板の顔合わせや子どもの学校行事を通じて、少しずつ知り合いが増えるまでには、どうしても数か月かかります。ようやく慣れてきた頃に次の異動が決まる、ということも一度ありました。
人と会う時間がかかるほど、次の異動までに動ける期間が短くなります。それを何度か経験して、やり方を変えることにしました。
一度、前の町でパートを続けたまま単身で残ることも考えました。ただ、子どもの学校のことを考えると現実的ではなく、結局は毎回一緒に引っ越す形を選んできました。
今続けているのは、人の商品を紹介する作業です。地域の誰かに紹介してもらう必要がなく、知り合いがゼロの町に着いた日からでも始められます。
着任してから軌道に乗るまでの空白の期間が、以前よりずっと短くなりました。段ボールを片付けている合間にも、少しずつ進められています。
次の辞令がいつ出るかは、相変わらず分かりません。ただ、着いた日から始められる形を持っているので、以前ほど身構えなくなりました。
どこに移っても同じように始められるかどうかを、これからも確かめていきます。次に住む町が海の近くでも山の中でも、やることは変わらないはずだと思っています。
単身で残る選択肢を考えずに済むようになったのは、地味ですが自分にとっては大きな変化でした。次の引っ越しも、家族全員で移ることを前提に準備するつもりです。